『安徳 瑛 初画集「街・丘・風・・戻り来る日々」』
発刊記念展覧会に際して

上海で生まれ、熊本で育った作家は、現在48歳である。
幼少の頃より画才に優れ、まさに絵を描くために生まれてきた男と言える。
すでに8歳にして周りの大人達が感心し、うなるほどの腕達者でもあった。
又熊本細川家の障壁画なども描いた矢野派の日本画家、故・杉谷雪樵や
文化勲章受章者の故・牛島憲之をはじめ、親類縁者に洋画家や日本画家を
持つという環境の中で、熊本時代は少なくとも独立美術協会の
海老原喜之助が主宰する絵画研究所を通じて、絵画の基礎を楽しみながら
学んだようである。大学院を含めて6年間の東京芸大での生活は経済的な
援助も乏しい中で、国画会の伊藤廉教授の指導の下に、徹底した絵画技法と
理論を修得し優秀な成績を残している。卒業後は、視覚が人間精神に
及ぼす効果と影響に関心を示し、形態と色彩を様々に組み替えること
により普遍的なものを画面に如何に表現しうるか、具象的な素材を
モチーフに心をくだき、この間、幾度かの経済的な苦境と挫折に悩まされ
ながらも、自己の内的変遷に身を委ね、ひたすら描き続けて来た。
このところ評判になっている、安らぎのある白を用いて、時空を超えた
ような異空間に、観る人を誘う画面構成も、こうした彼の自己練磨の賜物
といえるもので、一朝一夕にして得られたものでは無い。
ところで今回の画集は、彼の作風に大きな転機を示した1980年代前半
から現在までの近作を中心に編集したものである。内容は64点が
全てカラー掲載され制作年代順に全体を5部に分け、各部の冒頭には
作家の言葉を紹介し、別の角度からも作家自身の心の動きと発想を読者が
探れるように配慮し構成されている。巻頭言は桑原住男氏(美術評論家)
序文に島田章三氏(画家・国画会会員)
松樹路人氏(画家・独立美術協会会員)、中村裕之氏(元美術記者)の
各氏が執筆し、仏文と英文に翻訳されている。作家の現在を理解する
手だてにしていただければ幸甚である。さらに今後、これを契機に
作家の時代毎のレゾネ(総作品目録)の編集に取り組む予定で現在準備を
進めている。何卒、この作家の行く末に御注目をいただきたく
初画集発刊記念展覧会に際しご挨拶ご案内申し上げます。
1988年8月吉日 初画集発刊記念展に際して(一部訂正)

 安徳 瑛初画集 

“街・丘・風・・戻り来る日々” 1988年刊 B5変形・ハードカバー98ページ 
カラー掲載点数63点
限定:1000部(番号入り) 定価4,500円(税別)

 安徳 瑛第2画集

”風よ!丘よ!”1990年刊 B5上製本 60ページ
詩:小川 英晴 カラー掲載点数39点
限定800部(番号入り) 3,600円(税別)

 安徳 瑛第3画集

”四天の譜”(「蒼」「昊」「旻」「上」の4部編成)1995年刊
総括的に作家の全貌を紹介 B5上製本 72ページ
カラー掲載点数 41点
限定350部(番号入り)5,000円(税別)


 リトグラフ付き初画集

“街・丘・風・・・戻り来る日々”
オリジナルカラーリトグラフ
21x21cm(アルシュ紙)
6版6色
限定225部
B5変形画集共 60,000円(税別)

 参考:リトグラフ額装見本
43x43cm(マット、黄袋、刺し箱共)
額装代 11,000円(税別)
★注文制作になりますので2週間以上の時間がかかる場合がございます!
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