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画廊シェーネの
『たまさか よもやま考』
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★2016年1月


“子供の匂い”



安徳 瑛作「風の日」1988年作 油彩 38×45cm


又、寒くて、風邪に罹りやすい私の嫌いな季節になって来た。一体に
自分が、冬の季節に対し、これ程嫌悪感を持つようになって来たのが、
いつ頃からだったか、しかと思い出せない。少なくとも、雪や、凩の吹く
中をわざわざ出掛けたり運動して、身体が次第に熱って来ることに
ある種快感を覚えていた時代が、あったはずなのだ。
昔から、嗅覚が優れていると他人からも云われ、自分でもそう思って来た。
外を歩くと、道角を曲がる前から、子供がこの先に居るなと彼等の匂いを感じると、
大抵子供達が飛び出して来る。こんな時は、寒中の外出も、ほんわり穏やかで、
暖かい気持ちになる。
香りの佳いものが好きなので、我が家の庭には、バラをはじめ、様々な自分好みの
香る植物達を出来るだけ植栽している。
かつて、「狼と7匹の子山羊」のグリム童話で、大きな柱時計に隠れた
末の子山羊だけが狼に見つからず、食べられずに済んだ話に疑問を持った事がある。
「狼は、犬の仲間で人間の数千倍の嗅覚を持っているはずで、
何で末の子山羊だけを認知出来なかったのか?」と、、、
あの出刃庖丁を持って、この世のものとは思えない形相で突然襲ってくる、
それはそれは恐ろしい「男鹿のなまはげ」なら、親の言う事をきき、
泣かなければ勘弁してもらえるかもしれないが、狼が何故末の子山羊の臭いに気付かず
この子山羊が難を逃れたのかどうしても不思議であつた。
私の妻は、現在近所の子供達の為に英会話教室を開いている。
当然教室は、子供達の匂いで充満され、子供達が帰った後でもその残り香が溢れる。
然るに、最近この子供達が、かつての子供達の様な子供の臭いが
全くしない子が多いのに気が付いた。勿論、かつても、
小学生の高学年や中学生になると次第に香らなくなり、
大人になって来たのだなと理解していた。
それが、ここ数年私の嗅覚が特段衰えたとは思えないのに、香りがしないのだ。
子供達がすごいスピードで老成しているのだろうか? 理由が分からない。
こんなたわいもない事を考えていると一日は、あっという間に過ぎて、
赤い西日が窓辺から斜めに差し込んで来る。
隣の部屋から山の神の声がする「夕飯の準備は、どうなりました?」
そうだ今日は、私が作る事になっていた!、、、、、、

(注)2016年1月16日 FaceBookに掲載

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