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画廊シェーネの
『たまさか よもやま考』
バックナンバー
★2002年6月

閑話休題

 “ 画廊シェーネに鳥の巣が出来るとき ”

" Take a break !! "
" A day when The Galerie Schoene has the nest of bird."




画廊シェーネの
5月です!
窓の向こうで 新芽の薄葉が
光に揺れます!
梅の実も ぼちぼち
ふっくら ぷっくりしてきます!
心は,
  なぜか 沸き立ちます!


風が通ります!
鳥達の唄う 声色にあわせて

木々の先が揺れます!
鳥達のふれる くちばしにあわせて




窓下のトタン屋根で
何かが叩きます
コトコト ぴぴょっ ぴぴょっと響きます !
さきほどから
なにか 賑々しいのです
コトコト ぴぴょっ ぴぴょっと響きます !


むくどりの ひなが二匹
黄色い口を開けています!
屋根と屋根が重なる狭い隙間に
小さな顔を出しています!

それにしても
うまい場所を
みつけたものです

大きく口を開いているのは
兄貴?それとも姉さん?
小さいやつは、わずかに頭を
出すだけです!
臆病そうに親の来るのを
待っています!

えさをくわえた 親鳥達は、
警戒しながら
小鳥達に近付きます!
二匹のひなは、
親の頭を飲み込むくらい
大きく 口を拡げます!

ぴぴょっ! ぴぴょっ!  ぴぴょっ!
大きいやつが
小さいやつの 頭の上から 口を出します!
小さいやつも
下から必死に 口を出します!

おっとっと・・・いきおい過ぎて
大きいやつが
トタン屋根に 滑り出ます!

親鳥達の 餌付けの数は、
大口開ける 元気なやつに
集中します!
小さいやつも 、夢中に叫び
3、4に1度は
おいしい餌にありつけます!
親鳥達は、子供の様子を よく見ています!

親鳥達が、持ち寄るえさは、
毎度、種類が変わります!
毛虫の次は、ゆすら梅、そして花の蕾と!
小鳥達は、種を上手に
吐き出します!
小鳥達の栄養バランスは、 万全です!

小鳥達は、まだまだ
腹一杯には なりません
ぴぴょっ! ぴぴょっ!  ぴぴょっ!

食べるとまもなく
お尻を外に 差し出します!
高くかかげたお尻の穴から  ぴーと 糞を放つのです!
行儀が良いから
巣穴の中には 漏らしません!

それでも 時々親達は、
小鳥達の糞を くわえて
どこか遠くに 持ち去ります!
ぴぴょっ! ぴぴょっ!  ぴぴょっ!

小鳥達は 巣穴にもどり
静かに 親の
  次の合図を待ってます!

かくして、画廊シェーネの窓下屋根は、
またたくうちに 白い糞、糞、糞
赤い実、実、実の彩りに 染まります

ぴぴょっ! ぴぴょっ!  ぴぴょっ!
日がな  小鳥達のさえずりが 続きます!


今日も、外は良い天気!
いつの間にか  窓下では、
小鳥が さらに1匹 増えてます!
今日の餌とり競争は、さらに厳しくなりそうです!

ぴぴょっ! ぴぴょっ!  ぴぴょっ!
来る日も、来る日も、夜明けと共に
日がな 小鳥達のさえずりが 続きます!


・・・・・・・・・・・・・・
そしてある朝、突然
さえずる声が、消えます!
窓下の鳥の巣に、もう あの小鳥達の勇姿がありません!
巣立ったのです!
私達の目覚める前に
・・・・

ひょっとして、あの小さなやつだけが
取り残されては いやしないかと
しばらく、眺めておりますが
どうやら、無事に巣立ったようです!
・・・・・・・・・・・・・・・

夕方が来ても 巣には、
もう 戻るものは おりません!
あの鳥達は、一体どこで
今夜を すごすのでしょう?
・・・・・・・・・・・・・・・




今、画廊シェーネの窓下は、
6月の雨風に 晒されたトタン屋根が、
熱い日ざし受けています!
子鳥達の糞のかけらが
わずかに残るばかりです!

そして、私は
来年も きっと戻っておいでと
光る空を探します!


『 画廊シェーネ 童話集 1998-5 』から


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