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●松宮 喜代勝の略歴





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展覧会によせて
Greetings to The Exhibition


画廊シェーネ 店主 奥田 聰 敬白
Galerie Schoene OKUDA Satoshi




松宮 喜代勝 個展によせて
“彩相”(1991-11/8〜24)

 かって松宮 喜代勝は、作品制作にあたり、その材質が及ぼす人間の心理とか視覚への
効果や関係などを極めて重要視するがゆえに、作品は、人の手を経ずとも、素材そのもの
で十分成り立ち得るという方向に一時進んだ感があった。それは、自己を捨てさることだけ
でなく、作家の本質にある美意識や存在そのものを否定するようで、とても人間技とは
思えぬ超絶の技法も人の手によったればこそ、畢竟その巧の意味があるはずであると
考える私の思いとは、遠い処を歩んでいるように見えて私には,にわかに首肯し難いもの
があった。
  
 然るに、80年代後半より雲肌麻紙という特殊な和紙を用いて平面や立体作品を、今や
「松宮の赤」として知られるこの魅力的な朱色で展開しはじめてからは、事情は一変した。

 松宮の赤が、ただ単に観るものを視覚的にひきつけるだけのもので無いことは、
どうやらこの素材の選択と画面処理の関係が、人間のことわり(理)と宇宙のまこと(真)と
軌を一にし、しかも人間としての矩を超さない処にあると思われる。
 人を打ちのめす様な強引さとは程遠く、なんと邪念の無い新鮮で気高い印象を観る
ものに与えるのであろうか! 青や黄の彩色と相俟って三原色を効果的に配置している
ことにもよるが、作家自身の本質が人間の持つ純粋なもののみを見つめようとしているか、
あるいはまた体感しているからに違いない。

 今、故郷・福井の大飯町の「きのこの森公園」(20万平方メートルの谷)に93年に
完成予定で、博物館、創作館、造園等等の大プロジェクトが彼の手によって演出され、
空間芸術に対する彼の新たな試みが現実のものになろうとしている。そのマケットと
基本構想をみたとき、それは未来に向けて、地球上の生命体の存在を危うくしている
ものから救われる可能性がある何らかの誕生と深く関わりあっているように感じられた。

今回、画廊シェーネという限られた狭い空間の中での個展に於いて、彼の真髄と
彼自身が、鑑賞される方達にご理解とご認識をいただければこれに優る喜びは無い。

 
松宮 喜代勝 個人サイトへ:kiyokatsu.jp

         
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